ワイヤレスネットワーキング研究室

研究内容


移動体通信ネットワーキングに関する研究

自動車やロボットといった移動体の間で情報交換を行うための無線通信・ネットワーキングプロトコルの研究を行なっている。数多くのロボットや車が複雑なパターンに従って移動しても、高信頼な情報交換が実現できる無線ネットワーク制御や、ロボットの群れの移動を制御する移動制御について検討を行なっている。これらは自動車同士で情報交換を行う車間通信ネットワークやロボットがグループを作って協調的に移動・作業を行い、ひとつのロボットではできない作業を実現する群ロボットネットワークを支える技術となる。研究は、計算機シミュレーションやお掃除ロボットルンバ(iRobot Create)を使った実験などにより行なっている。

■Thinktube社のHPにて、上の図のロボットの動作が掲載されています。http://www.thinktube.com/   
【Robotic deployment experiment
部屋の奥にあるAP(基地局)ロボットに向かって、手前に待機しているSTA(端末)ロボットが移動する動作を表す。その際に、STAロボットはAPロボットから受信するビーコンの受信電力によって移動または停止する。今回はAPロボットまでの距離が5メートルになるまでSTAロボットが移動し、その後停止する例を紹介する。

ECO-WiFi (省電力無線LAN)に関する研究

 WiFi (無線LAN)は世の中に広く普及し、無線LANルーターは、家庭やオフィスなど、多くの場所で用いられている。しかし、これらの無線LANルーターは、ユーザが使わない時間や場所でも“つけっぱなし”の状態で放置され、電力を無駄に浪費している。当研究室では、このような無線LANルーターによる電力の無駄遣いを無くすため、ユーザが通信を行う時間・場所でのみ、自動的に電源がONとなる次世代無線LANの研究を行っている。本研究は、通信機器の電力浪費によるCO2排出量削減を目指す国家プロジェクトの一環として行っている。
 
 
マルチホップ無線通信に関する研究

無線通信端末が送信した信号・パケットを、他の無線端末が中継し、宛先端末まで届けるマルチホップ無線通信のための無線伝送方式・プロトコルの研究を行っている。マルチホップ無線通信は、災害時や工事現場などに一時的に配置されるメッシュネットワークや、センサを無線通信で繋いで情報収集するセンサネットワーク、WiMAXなどのセルラシステムのカバレッジ(通信可能範囲)拡大などを実現する技術である。当研究室では、無線マルチホップネットワークにおける革新的なパケット・信号転送技術である無線ネットワークコーディングや複数の無線通信端末が協調して宛先端末に情報を伝達する協調通信のための変復調方式、MACプロトコル、ルーティング制御、及び物理層・リンク層・ネットワーク層が連携したクロスレイヤプロトコルについて研究を行っている。本研究に関する評価は、ネットワークシミュレータScenargieを用いて行っています。 https://www.spacetime-eng.com 

無線通信の新アプリケーションの創出

 現在、無線通信機能が付いていないモノでも、無線通信機能を加えることで、より魅力的になるモノは世の中に沢山存在する。本研究室では、このような無線通信の新アプリケーション創出を目指している。例えば、コンサート会場でよく用いられるペンライトに無線通信機能を付けることで遠隔制御を行い、ペンライトの点灯タイミングや点灯色を揃えることでライブ会場の一体感を高めるペンライト無線制御システムを開発している。医療や交通、防災や公共安全、産業用システムやロボットといった分野における無線通信の新アプリケーションの検討も行っている。

コグニティブ無線に関する研究

 携帯電話などの無線通信端末が周辺の電波の混み具合やユーザの好みに応じて、最適な無線通信パラメータや利用する無線システムを選択するコグニティブ無線に関する研究を行う。現在の無線通信端末は、前もって決められた周波数や無線通信方式しか用いることができないが、コグニティブ無線端末は、より“インテリジェント”な端末であり、その時、その場所で空いている周波数や無線通信ネットワークに柔軟に接続することができる。これにより、有限な資源である周波数の有効利用が可能となる。本研究では特に、同一周波数を共用する複数無線システム間の干渉制御技術や、WiFiやWiMAXといった異種無線システムを動的に同時利用することで通信特性を向上する技術に関する検討を行っている。また、コグニティブ無線端末を実現する実験用プラットフォームである USRP2/GNU-RADIOを用いた実験評価を行っている。